羽兎は感心したようにため息をついた。
まさか自分でお菓子まで作るとは……

「うん。私、絶対に紘哉さんの彼女だけにはなりたくない」

「心配すんな。こんなガキ、こっちからごめんだ」

「んなっ!?」

二人のやり取りを傍観していた恵一は、声を出して笑った。

「ちょっ!花形さんも笑わないで下さいよ!」

些か傷付いた顔をしている羽兎が困ったように叫んだ。