バタンとドアが閉まる音がした。 その音で恵一はドアの方を振り返る。 「羽兎さん、紘哉が戻ってきたよ」 紘哉は崩れたネクタイを締めながら部屋に入ってきた。 羽兎はそんな彼に見向きもせずに、チョロチョロっと手を振る。 「お帰りー。早裕さんは?」 「あぁ、寝てる」 時刻は午前0時を回った頃。 良い子なら今頃夢の中でお菓子を食べているに違いない時間だ。