「何も答えない、か……ならばお望みに応えますよ、お嬢さん」 そう言って紘哉はスーツの上着のボタンを外し、ネクタイを緩める。 一連の動作を見ていた早裕は、段々と頬が熱くなっていくのを感じた。 慌てて顔を隠そうとするも、片腕は紘哉に拘束されたまま。 彼女は、もう片方の手を胸の前でぎゅっと握った。 「ひ、紘哉くん!私……私でいいの?」 「何の話?」 「だから、その……」