「う、うん。分かった。で、どこ行くの?こんな夜遅くに」 時計の針は11時を指していた。 良い子ならばとっくに寝ている時間だ。 紘哉は羽兎から《宝箱》を受け取ると、ニヤリと笑った。 「事情聴取だ。11時にって早裕さんに呼ばれたんだよ」 そう言って彼は部屋を出ていった。 頭を過る嫌な感じ。 羽兎は腕をさすった。 「なーんか嫌な予感がするんだよね」 「奇遇ですね。俺もだ」 取り残された二人は、ただ悪魔の笑みを浮かべた探偵の帰りを待つしかなかった。