こちらミクモ探偵事務所


「え……?」

羽兎の口から声が漏れた。
加々美優?そんなわけあるはずがない。

確かに彼女はアリバイがない。
しかし、それと同時に動機もない。

「……」

羽兎を拘束している人物は、一言も喋らなかった。
重い静寂。

それを破ったのは紘哉だった。

「決めてはコレですよ」

そう言って彼は携帯をポケットの中に入れ、足元に置いた白い包帯を拾い上げた。