「誰ッ……?」 「……」 相手は何も答えない。 ここで抵抗すると死ぬということは何となく分かっている。 紘哉は羽兎に背を向けて気付いていない。 羽兎は心の中で紘哉を呪った。 罠に貢献した助手が捕まってるっていうのにぃ……! その時、紘哉は低い声で呟いた。 「とうとう尻尾を掴みましたよ。怪盗仮面(偽)」 そう言ってそのまま彼は振り向いた。 「やはりあなたでしたか……加々美優さん」