場所は再び警察署。 恵一はソワソワした感じで玄関に立っていた。 「何でお前はいつも挙動不審なんだよ」 自転車から降りた紘哉は、彼に向かって言った。 「第一声がそれかよ!せっかく協力してやるって言ってるのにさ」 「例の物はこれなんだが……」 「スルー!?」 恵一の小言を右から左に受け流し、彼はポケットから血痕の付いた布を取り出した。