紘哉は血のついた部分の薄いカーペットを切り出した。 「何やってるの!?」 「これを血液鑑定に出す。俺の予想が正しければ、これは怪盗仮面の血痕だ」 羽兎は呆れたようにため息をついた。 「怪盗仮面って……とっくに捕まったでしょ?」 「違う。怪盗仮面(偽)だ」 「(偽)って……」 紘哉はもくもくとカーペットを切っていく。 いてもたってもいられなくなり、羽兎はとうとう口を開いた。