「もしかしなくとも血だ。間違いない」 羽兎は紘哉の隣に並んだ。 小さな血だまり。 カーペットに染み込んでいて、何とも言えない模様を描いている。 「ワトコ、ハサミ持ってないか?」 「え?持ってるよ」 「……刃先を俺に向けずにゆっくりと渡してくれ」 「?」 羽兎は言われた通りにハサミを渡した。 刃先を紘哉の方へ向けずにゆっくりと。