「あぁ……なるほどね」 羽兎はポンと手を叩く。 紘哉はそれを一瞥すると、無言でドアを開いた。 「な……何なのこれは!?」 部屋の中を見た羽兎は、驚きの声を上げた。 埃臭くて日の光が入らない陰湿な部屋。 埃っぽいベージュのカーペットに広がった赤い染み。 紘哉は何も言わずに、その染みの近くでしゃがんだ。 「紘哉さん……もしかして……」