「あの野郎……」 ホイホイと事情話しやがって! ニシシと笑う恵一の顔が、紘哉の脳裏を過った。 「で、何でここにいるの?」 羽兎がさっきの質問をぶつけた。 紘哉は親指でドアを指差す。 「あぁ、その事か。 実はこの部屋だけ調べてないからだ」 「ん?」 「怪盗仮面が現れた場所なのに、ここだけ調べてないだろ?」