「そろそろ言った方がいいのか?」 紘哉は少し悩んだが、その場から立ち去った。 「おもしろいし、ほっとくか」 「わん!」 「くぅー……」 最早どちらが犬だか分からない。 羽兎は大げさにため息をついた。 普通に考えたらおかしな話だ。 犬に問いただしても返ってくるのは鳴き声だけ。 羽兎は自室に戻った。