「まぁ、愛する妻が殺されたんだ。普通だったら今ここにいるだろ?」 「……確かに」 家族が殺された。 なのに連絡一つ寄越さない。 普通に考えたらおかしいことだ。 「因みに父親は生きてるのか?」 「生きてますよ。今は出張で海外にいるんです。 毎月手紙を送ってくれるんですよ」 優が静かに答える。 彼女はこねたハンバーグをフライパンで焼き始めた。