「怪盗仮面って言うのはね、今巷で大人気の怪盗なんだよ。 殺人現場に現れてはあるものを盗んでいく」 羽兎が生き生きとした様子で語り出した。 「《あるもの》ってなんだ?」 「それはね……《真実》なんだよ!」 「ほぅ……?」 少しだけ紘哉の口角が上がった。 心なしか、若干彼も楽しそうに見える。 「それで真実を警察に突きつけて犯人を逮捕するってハナシか。いいヤツだな」