「――紘哉さんと羽兎さんですよね?」 紘哉がちょっとした屈辱感を味わっている最中、突然後ろから声をかけられた。 羽兎は嬉しそうに手を振り、紘哉は振り返った。 そこには優が立っていた。 優は頭を下げ、ニッコリ笑う。 「ここにいらしたんですね。刑事さんが呼んでいましたよ」 「ありがとうございます」 紘哉は頭を下げた。 後ろで羽兎が兎のようにぴょんぴょん跳ねる。