「気付かなかったの?あんな大きな袋だったのに!?」 「……すまん。俺のミスだ」 あの時、紘哉は怪盗仮面の素顔を見ようと必死だった。 持ち物に目がいかなくなるほど。 「私もそっちに夢中でロープの存在に気付かなかったよ」 羽兎は続けた。 「言葉を言い放った後、怪盗仮面は飛び降りた。 そして私達は木の根元へ駆け寄った。 その時懐中電灯は?」 「……全然違う方を向いてたな」