「定期出すときに一緒に落としちゃったんじゃない?混んでたから落としても分かんないでしょ」


「え――もうありえないぃぃ、嘘でしょ?」


半泣きになりながら
遅刻覚悟で元来た道を辿る

周りはもうほとんど
学生姿の人はいなくて
余計に不安になってくる




「……ねぇ?綾香?あんたのiPod何色だっけ?」


「えー?赤色のカバーのだけど?」


結梨の釘付けになっている視線を追うと………







「あたしのiPodぉぉぉぉお!!!!!!!!」