とても優しそうなお父さんだ。
こんなあたしでも受け入れてくれているんだと思えて嬉しくて、あたしも微笑み返した。
「さあ、忙しくなるわよ? 式はどこで挙げましょうかね~。あと、ベビー服も用意しなきゃ!! まあまあ、とても大変ね!! 祈ちゃんはおねいちゃんになるのよ?」
「しき、しきっ!! べびー!! やった~、イノ、おねいちゃんっ」
祈ちゃんはキャー、キャーと嬉しそうにバンザイをしながら駆け回っている。
「端月が挙式をするわけじゃないんだがなぁ~」
はしゃぐ端月さんを見た潤さんのお父さんは苦笑しながら、ぽつりとつぶやいた。
誰からも祝福されていることがとても嬉しくて、潤さんの肩に頭を乗せると、彼はそれを合図にしたみたいに口を開いた。
「君が他の男に取られてもいいのかと、母さんに脅されたんだよ」
潤さんはぼそりとあたしの耳元でそう言って、恥ずかしそうにほっぺたを掻いていた。
あたしとお腹の子はこの家族に受け入れてもらっている。
そう思うと、涙で視界が潤んでしまう。
そうしてその日、あたしは潤さんと祈ちゃん。
端月さんと夫の一真(カズマ)さんと一緒にレストランで食事をした。
これからも、ずっとこんなふうに笑い合い、過ごせるのかもしれない。
そう思うと、胸があたたかくなる。
あまりにも嬉しくて、泣いてしまったあたしを見た潤さんはオロオロ状態。