だって、だってね。

白バラの花言葉は『恋の吐息』『私は貴方に相応しい』『清純』だ。

これじゃあ、まるでプロポーズみたいじゃない?


「返事、聞かせてくれないかな?」

何をどう言っていいのか困っていると、潤さんは返事を催促してきた。


「え、っと……あのっ!!」

戸惑っていると、眉をハの字にしている彼の姿が視界に入った。

潤さんはとても恥ずかしそうだ。

顔を真っ赤にしてあたしを見つめている。


だから、彼があたしに『結婚してください』ってそう言ったんだと思った。


潤さんはあたしのことをただの女手だと思わず、沙良さんと同じようにきちんと愛してくれている。



「……はい」

気がつけば、あたしの口は素直に返事をしていた。

コクンとうなずき、潤さんから差し出されたバラを受け取った。その瞬間――……。



「やった~!! ママだ! しゃしんのなかのママがいってたとおり、おねいちゃんがママになった!!」

あたしの耳にはとてもよく知っている声が聞こえた……ような気がする。


驚いて、差し出されたバラから視線を外して周囲を見ると、突然公共用廊下からひょっこり姿をあらわしたツインテールの彼女は両手を上げて駆け回っている姿が見えた。



えっ!? 祈ちゃん?

端月さんと一緒に晩御飯を食べてるんじゃなかったの?



それに、端月さんまでもが祈ちゃんと一緒にひょっこり姿を現す。