「違いますっ!! 潤さんが好きな分、どうしたらいいのかわからなくなっちゃうだけでっ……っ!!」
ちょっと!
ちょっとちょっとちょっと!! あたしってば何言ってんの!?
そんなこと言ったら、あたしの気持ちバレバレじゃない!!
いや、いいんだけどね、別に、もう彼はあたしの気持ちを知っているから。
だけど、でもっ!!
やっぱり恥ずかしいっ!!
潤さんとふたりきりがイヤだというんじゃないと否定するため、言った言葉はあたしのこの感情そのままで、告白にも似たものだ。
ほぼ最後まで告げてしまった後に気がついた。
恥ずかしい!!
穴があったら入りたいくらい、とても恥ずかしい。
自分の気持ちを伝えるのって、こんなに恥ずかしいものだなんて知らなかった。
「やだっ、あたしっ!!」
はっとして口元を押さえれば、潤さんの手によってあたしの腕が引っ張られた。
気がつけば、あたしは潤さんの腕の中にすっぽり収まっているわけで……。
心臓が余計にバクバクと音を立てるから体に悪い。
「じゅ、潤さんっ!!」
「あまり可愛いことは言わないで。仕事、行く気がなくなってしまうから」
耳元でぼそりと告げられた言葉に、あたしの頭が真っ白になってしまった。
背中に回された彼の手から体温が伝わって、体を熱くさせてくる。
もう一度、「行ってきます」と彼はあたしの耳元で告げた後、玄関を出て行った。
後に残されたあたしはっていうと……。



