太い眉がくっつくんじゃないかというくらい寄せてこちらの顔をマジマジと見つめてくる。


「必要最低限以外、人と関わりあうことを好まないお前がか?」

なんだよ。

ぼくにだって雇いたい時くらいある。

……だろう?

自分でも疑問系になったのは、今までそういったことを思ったことがなったからだ。

どうやら聡はぼくのことを自分自身よりもよくわかっているようだ。


「ふ~ん? で? どんな子?」

「は?」


聡は何やらニヤリと笑い、尋ねてきた。

聡のその言葉で、今度はぼくの方が眉を寄せる番だった。


「いや、だから。お前が頼んだその女の子、可愛いの?」

なぜそうなるんだ?


しかもぼくはハウスキーパーが女性で年が若いということを告げてはいないはずだ。

聡がなぜそう言い切るのかが不思議だ。



「……可愛いよ」

ズバリと言い当てられ、どこか面白くないと思ったぼくは、ただボソリとつぶやいた。


「そっか、可愛いのか。へぇ~、ふ~ん、ほ~」


なんだよそのニヤつき具合は。

聡の口元がやけにひん曲がった笑みを浮かべている。


「ま、いいや。モデル、もう準備できてるからお前も準備が出来次第撮影室に頼む」

金山は楽しそうにそう言うと、また経営者の顔に変化させる。

社長として告げられた言葉を合図に、ぼくは3階から2階にある個室の準備室に移動し、撮影に必要なレンズやらカメラを取り出した。