「ねぇ、良かったら俺らと遊ぼー?楽しいよー?」
「結構だ。それに急いでいると言った筈。通せ。」
「ねぇ、いいじゃん。って、うわ。髪、サラッサラだね。」
知らぬ間に、もう一人が私の髪を梳いていて、その感触にゾワリと悪寒が走った。
「…っう。触るな外道!!」
その男の手をひねりあげると、その男はイテテテ!と声をあげた。
「てめっ、何してんだよ!」
しかし、相手はもう一人だ。
私が反応する間もなく、あっさり押さえつけられてしまう。
「くっ、離せ!私を見くびるな…!」
そいつを投げ飛ばそうと、腕に力を入れて愕然とした。
…硬い。なんだこれは。
あまりにも重く、硬いその体は改めて男なのだと思い知らされる。
駄目だ、筋肉の質が違う。
あっという間に口も塞がれ、二人がかりで押さえつけられて身動きが取れない。
「生意気なオンナ。遊んでやるから、こっちこいよ。」
すぐ近くにある、夜になれば人気がなくなるその公園に体が引きづられてゆく。
何をされるかは、真っ白の頭でも想像はつく。
「ん、んー!!」
「黙れよ。」
そんな危機的な状況のなか、昨日の平良木 龍の言葉が頭をよぎっていた。

