甘い旋律で狂わせて

「ほら、今も。泣きそうな顔をしてる。」


そう言って、ネオはそっとあたしの頬に触れた。


長い指先が、あたしの頬を撫でる。

その感触に、ゾクリと背筋が伸びた。


柔らかく、あたたかい。


そんなネオの手の感触が、すごく心地いい。



「どうして声に出して泣かないの?」



耳をくすぐる優しい声に、心が揺さぶられた。


触れられる頬が、ジンジンと熱くなっていく。



ネオの言葉に、過去に止まったままの時計の秒針が、少しだけ動いたような気がした。



ネオ……


どうして、あなたは

あたしの心の中を見抜いてるの?


まだ出逢ったばかりなのに

どうして全てを見透かしたような目をしているの……?