甘い旋律で狂わせて

だけど、ネオはあたしの質問には答えず、少し苦笑するように笑みを浮かべただけだった。


これ以上、聞くなと言われているような気がした。



あたしはそんなネオの様子を横目に、グラスに残っていた液体を一気に喉に流し込んだ。


芳醇な香りが、喉の奥まで一瞬にして広がる。


それとともに、体の芯が熱くなっていくのを感じた。



「キミはどうして一人でディナークルーズなんかに?」


ネオの質問に、あたしはビクリと体を揺らした。


「約束をすっぽかされちゃったの」


あたしを見つめるネオの瞳は、何もかも見透かしているようだった。


「恋人に?」


ネオのその言葉に、あたしは思わず首を横に振った。


「う、ううん、知り合い!」


「……そう」


焦ったように言ったあたしを、ネオは薄い笑みを浮かべながら見ていた。