甘い旋律で狂わせて

あたしはその熱い視線に、身動きひとつできないでいた。


まるで口説き文句のような甘いセリフ。


それなのに、どうしてだろう。


ネオが口にすれば、それは優しく甘美な響きへと変わる。


甘いシャンパンカクテルのように、その言葉に酔わされてしまうようで……。



あたしは囚われてしまいそうな想いを、必死振り払った。



「ネオは、プロのピアニストなの?」



あたしは話をそらすように、違う質問をぶつけた。


あの船上の演奏といい、今の演奏といい

ネオのピアノは、そのへんのアマチュアのピアニストをはるかに超えたものだった。


それは、長らくピアノから離れているあたしにさえわかった。