甘い旋律で狂わせて

「来てくれると思ってたよ」


ぼうっとその横顔を眺めていたあたしに、ネオの優しい声が突然降ってきた。



透明な瞳が、真っ直ぐにあたしを見ている。


「綺麗な涙だった」


「えっ?」


ネオの言葉に、あたしは首をかしげた。



「キミは泣いてくれただろ。僕の演奏を聴いて」


「あ、あの時はっ……」



どうして泣いてしまったのか。

自分でもよくわからなかった。


ただ、その音色があまりに懐かしくて。

愛おしくなって。


気がつけば、涙が零れていた。



「あの綺麗な涙が、忘れられなかった。」


突然降ってきたネオの声は

優しく甘く、あたしの耳に響いた。


見つめられると、大きく鼓動が鳴りだすのを感じる。