甘い旋律で狂わせて

一心不乱に鍵盤を叩く少女。

そして、鋭い瞳で彼女を見守るネオ。



その姿を見ていたら、なんだか永都先生にピアノを教わっていたあの頃を思い出してしまう。



あたしと永都先生も、あんなふうに見えていたのだろうか……。



「いいね。上出来だよ、葵。明日もその調子だ」



ネオがそう言ってパンと手を叩くと、彼女は手を止めて安心したようにほほ笑んだ。



「先生にそう言ってもらえたら、なんだか安心する。明日、うまくいくかしら」


「うまくいくよ、きっと。観客の目がすべてキミに注がれるんだ。堂々と、胸を張って見てもらえばいい。キミこそがこの光溢れた場所で、唯一無二のヒロインなんだから」



ネオを先生と呼ぶその少女の瞳は、明日を心待ちにしているのか

とてもキラキラと輝いていた。