甘い旋律で狂わせて

「やっぱり、薫さんはネオや永都先生と同じ。音楽に愛された人なんだって気がします」


「あら、花音さんったら」


謙遜するように言うけれど、あたしはそんな薫さんに憧れてしまう。


薫さんの眼差しの強さは、永都先生にとてもよく似てたから。


それに、ネオにだって……。


「でもたしかに、音楽であたしたち兄弟は繋がってるのかもしれない。その中でもひと際、ネオは音楽の神様に愛されてたんでしょうね。姉の私でさえ、嫉妬するくらいにネオには才能が溢れてる」



そう言った薫さんは、どこか誇らしげだった。



「だからこそ、あの子には現在(いま)を生きてほしい。音楽に真っ直ぐに向かい合う強さを、取り戻してほしいのよ」



そして、とても悲しげだった。