甘い旋律で狂わせて

「私も、もう過去に囚われたくはない。永都のことも、ネオのことも…忘れるわけじゃないけれど、乗り越えなければならない。母と一緒に、未来へ向かって生きていきたいと思ってる」



強く、強く

唇を噛みしめながら言った言葉に


あたしも、胸の奥が熱くなった。




「だから、あなたにも現在(いま)を生きてほしい。ネオと一緒に、乗り越えて欲しい」



ギュッと、あたしの手を握りしめる薫さんに

あたしもまた、頷いた。



薫さんの決意の眼差しに

重くのしかかる雲が、少しずつ消えていく気がした。