甘い旋律で狂わせて

「薫さん。あたし、ネオに会いたいです」


涙が、溢れていく。


ネオを想うだけで、涙が止まらなくなる。



「ネオに、会いたいですっ……」



溢れ出る涙を拭いながら言うと


薫さんは車を道路わきに停め

そして、あたしの手をギュッと握りしめた。




「花音さん、あなたはやっぱりネオのことを……」




あたしの手を覆う、薫さんの手のぬくもりに

瞼の裏が、余計に熱くなった。




「わかりません。本当の愛情って、何なのか、まだあたしにはわかりません。ネオを通して、本当は永都先生を想ってるんじゃないかって、そう思う気持ちはまだ消えません。

だけど……今はただ、どうしてもネオに会いたい。そばに行きたい。たとえこれが偽物の愛情だとしても、構わない。孤独を埋めあうだけの愛情だとしても……」



守りたいと思うことが愛情なのかどうか

それはわからないけれど。



今はただ、あの人のそばに行きたい。



それだけは、正直な思い。

たしかな真実。