甘い旋律で狂わせて

「母ね、ネオを見た瞬間に、永都って呼んだの」


「えっ……?」


「ネオのことを、永都って呼んだの」




薫さんの言葉に、胸がズキリと痛んだ。



ネオのことを……永都先生だと、呼んだ?


ネオのことを、永都先生だと思った?



それって、つまり……



「母の頭の中から、ネオが消えた。永都の代わりに、ネオが消えたの」



薫さんの悲しげな声に、胸の奥が火に焼かれるように、痛くなった。



「それが、理由よ。ネオが、母を……そして永都を今も許すことのできない理由。今もずっと、憎んでる」




――それが、ネオの悲しみの理由だったんだ……