海が、傾く太陽に少しずつ赤く染められていく。




もしも、永都先生が事故に遭わなければ

先生と二人で、一緒にこの景色を見てたのかもしれない。




「綺麗だね」なんて囁きあいながら、手を繋いで歩いていたのかもしれない。





――そんなことを考えながら歩いていると、ふいに涙が滲んできた。




「バカみたい……」




もう、何度同じことを悔やんでるんだろう。


何度同じことを願っているんだろう。



二度とは会えない人なのに。



こうやって涙を何度、拭いたのか。


そんな自分があまりに情けなくなって、哀しい笑みさえ零れてしまう。