甘い旋律で狂わせて

必死にその事実を理解しようとしながらも

頭は、冷静に考える余裕などなかった。



今、目の前にいるネオが

生きているということが何よりも嬉しいはずだった。




人間は“今”という時間しか生きられないんだから。




願うべきは、過去よりも未来なのだから。




――だけど、あたしの頭の中は


そんなことよりも何よりも



手の平から伝わる鼓動がその全てを占領して



何かを考える余裕など、どこにも残されてはいなかった。