甘い旋律で狂わせて

あたしの頬に触れる冷たい手が、かすかに震えた。


その手から伝わってくるのは、黒く塗りつぶされた負の感情。


憎しみを込めたその低い声に、身震いがした。




「だから、アイツが一番大切にしていたものを、僕は手に入れたんだ。

花音、キミの心のすべてをアイツから奪い去るために、キミを手に入れたんだ」




あたしに向けられた刃のようなネオの想いに、息がだんだんと苦しくなる。





――あたしが、永都先生のことを好きだったから




永都先生を憎むのと同じだけ

ネオはあたしのことも、憎いのだと感じた。