甘い旋律で狂わせて

「玲さん。ネオは、いったい何の仕事をしてるの?」


目を伏せたまま言うと、玲さんはため息を吐いてグラスをまた手に持った。



「花音ちゃんだから、話すけどさ。本当はちゃんとネオが話してくれるはずだから、それまでは口外しないでくれる?」


「……うん」



静かに頷くと、玲さんは少しだけ笑みを見せて、グラスを拭きながら話し始めた。



「ネオの仕事はクラシックやジャズの音楽プロデューサーだよ。有名なピアニストの制作活動に関わっているみたいなんだ。

だけど、それはほとんどの人が知らない。ネオは実名を隠して、自分の素性を全く明かさずにその仕事をしているから」