甘い旋律で狂わせて

幾度かの治療で、ネオの病状は少しだけよくなった。


だけど、ネオが他の人よりも体が弱いことに、ネオの母親はとても神経質になっていたらしく

激しい運動をすることや、ひとりでの外出を決して許さなかった。



「運動も様子を見ながらしてもいいと、医師には言われていたんだけどね。母は心を痛めていたんだと思う。

少しでもネオの姿が見えなくなれば、血相変えて探していたし。きっとネオに何かあったら、って怖かったんだと思うわ。

周りから見れば異常に見えるかもしれないけれど、母親だもの。自分の子のこととなれば、正気ではいられなかったんでしょう」


薫さんは俯きながら、そう言った。




ネオは一日中、部屋にこもってばかりいたけれど、それと反対に永都先生は外で近所の子たちと楽しそうに駆けまわっていた。



そんな兄の活き活きとした姿を、ずっと家の窓から眺めていたネオ。

それを思うと、ネオはどれほどにつらかったんだろうと、なんだか胸が痛くなった。