甘い旋律で狂わせて

「薫さん、落ち着いてください」


ドクンドクンと、鼓動は速くなっていくばかり。


だけど、冷静にならなきゃ。


そう思って、自分を落ち着かせるように、薫さんにもそう声をかけた。



薫さんは青ざめた顔でソファに腰掛けながら、「大丈夫よ」とあたしにわずかな笑顔を見せる。


だけど、血の気の引いたような顔からは、平静をなくした薫さんの感情が読みとれた。




……怖い。

ネオのことを知るのが、怖い。



あたしの知らないネオを知ることが、どうしようもなく怖い……。



だけど、このまま聞かないでいられるわけじゃなかった。


覚悟はできている。



あたしは何があっても、ネオのことを受け止めたい。

誰より愛した人なんだから。