甘い旋律で狂わせて

膝の上で握りしめる拳が、汗で滲む。


そんなあたしの緊張感を感じ取ったのか

薫さんはやわらかな表情を一変させ、怪訝な目であたしを見つめた。



「私に、話が……?」



どうしてか、薫さんの表情が困惑したように見えた。


どこかそわそわとした様子で、視線を下に落としている。



「はい。……ネオさんの、ことで」



そう口にした瞬間だった。


薫さんの顔色が、一瞬にして歪んだ。



まるでとてつもなく忌まわしいものを見たかのように

怯えともとれる目で、あたしを見つめた。