甘い旋律で狂わせて

「デートの場所、考えとけよ」


先生はそう言い残し、部屋を出て行った。




「嘘っ……」



信じられなかった。


でも、たしかに感じたんだ。



先生のまっすぐな瞳が、あたしを見ててくれてた。


先生の唇の感触が、まだ額を熱くさせていた。


先生の長い指が、あたしの唇を奪っていった。




永都先生……


生徒じゃなくて、

あたしを一人の女として見てくれるってことだよね?


期待しちゃっていいのかな……