甘い旋律で狂わせて

「僕から逃げようとでも思った?」


まるで獲物を捕らえるかのように、ネオの手があたしの腕を強く掴んだ。



「友達との約束をすっぽかされたって言ってたのは、嘘だね?あの彼との約束だったんだね」


落ち着いてながらも、強い口調が責め立てるようにあたしの耳に響く。



あたしはその低い声に怯え、ただ、ただ頷いた。



「ごめ……なさっ……」



溢れる涙に、両手で顔を隠しながら声を振り絞った。




軽蔑したんだろうか?

呆れられたんだろうか?



恋人がいながら、抱かれた女を

あなたはどんな目で見ているんだろう。



それが怖くて、伏せた顔を上げられなかった。