甘い旋律で狂わせて

「じゃあ、行こうか。お義父さん、お義母さん、失礼させていただきます」


丁寧に頭を下げた悠貴は、あたしに向き直って柔らかな表情を見せた。


「行ってらっしゃい。悠貴くん、花音のことよろしくね」


お母さんは優しく微笑みながら言った。




玄関であたしたちを見送るお父さんとお母さんは、本当に嬉しそうだった。



優しくてしっかりした悠貴と、あたしが結婚することになったこと。


それをとても喜んでくれていた。



こんなに安心してくれて、喜んでくれてるんだ。



だから、あたしは喜んでくれる人たちのことも、悠貴のことも、絶対に裏切ってはいけない。



ネオのことは、誰にも言わない秘密にしておこう。


きっとあれは、ひと時の気の迷いだったんだ。


この罪は、あたしの心の中から一生出さずに秘めておこう。



それがきっと、幸せな未来のために一番いいこと。