甘い旋律で狂わせて

「もしもし……」


小さな声で問いかければ、すぐに聴きなれた声が返ってくる。



「花音?今、どこだよ!」



それは、どこか切羽詰まったような声だった。



「えっ……家だけど……」


「家に帰ってたのか!?昨日からずっと電話かけてるのに出ないから、心配したんだぞ!」


「ご、ごめんなさい……」



心配してくれていた悠貴に対して、罪悪感が胸に迫る。



ただ、謝ることしかできない。



悠貴じゃない人に抱かれた。

悠貴を裏切ってしまった。



うまい言い訳さえ思いつかない。


あたし、本当に最低なことをした……。