甘い旋律で狂わせて

後から、先生はあたしとのデートに行く途中に事故に巻き込まれたことを聞かされた。


そのことが、よけいにあたしを苦しめた。


デートの約束なんてしなければ、きっと先生は死ぬことなんてなかった。




あたしが、先生の命を奪ってしまった。




先生の家族に謝りにいきたかったのに、怖くて行くこともできなかった。


ううん、行けるはずがなかった。



若手天才ピアニストとして期待されていた先生の将来を、あたしが奪ってしまったんだ……。


あたしが……。



その罪を、今まで一瞬たりとも忘れることなどできなかった。