裏庭には再び平穏が訪れた。
相変わらず寒い。
地球防衛軍の一隊員となった俺は、もしかしなくても有馬さんの仲間なんだろうか。
そもそも有馬さんと会話したことのある人間がこの学校にどれ程いるのだろうか。割といるのか、全然いないのか。
「地球防衛軍って、なにすんだろーなー」
他人にさほど興味がない俺にとっては、有馬さんが他人にどんな風に思われ、どんな人間関係があり、どんな生活を送っているかなど、知るよしもなく。
「定期的に集会とかあったら、行くのいやだな」
かといって知ろうと思うわけでもなく、ただなるようになればいい。
「宇宙人と戦うことになったら、どうしようか」
面倒臭いことにさえ巻き込まれなければ、なんでもいいのだ。
「まあ、一目散に逃げるべきだな」
授業の終わりを告げる鐘が鳴る。
まだ下校までには2時間もある。
さっきは寝過ごしたから今度こそ寝るか、と俺はまた壁にもたれかかり目を閉じた。
すぐにやってきた眠気は、俺を夢の世界へと連れて行った。


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