有馬さんは宇宙人



 有馬さんいわくニコチン中毒者では地球防衛軍は務まらないらしい。


「よもや貴様もニコチンを摂取しているわけではあるまいな」

「いやあ、俺そういうの興味ないから」

「よく言うぜ不良のくせに」


 南さんは口を挟んでまた煙草に火を付ける。俺は簡易ベッドにもなる保健室特有の長イスに腰かけた。


「貴様、不良なのか!」

「いや、違う……やっぱ違くないのかなあ。ていうかどっからが不良なんだ」

「まさか貴様もエイリアンではあるまいな!」


 有馬さんの中では不良=エイリアンなんだろうか。さっきも俺を襲ってきた不良達に言っていた気がする。


「えー違う違う。俺は地球で生まれ育った地球人です」

「自由人の間違いだろ」

「「黙ってろニコ中が」」

「ひでえ」


 有馬さんと台詞が被った。

 喜んでいいのか悲しんだ方がいいのか複雑な心境にかられたが、まあ別になんだっていいさ。

 行き当たりばったりな会話をしながら、今日の晩御飯は何を作ろうかとぼんやり考える。

 野菜炒めが食べたいな。でもモヤシを切らしてたから帰りにスーパーにで寄ろうか。

 久しぶりに菓子類も作りたいけど、所持金いくら持ってたっけなあ。