「鼻水出るわっ!!」
愛美の方へ振り向き、いつものように言葉を返す私。
いつもの素のやりとりをして、愛美と笑い合ったあとに、はっ!!と気がついた。
―――やってもーたっ
私は、向かい側の席に初対面の男の子がいることを忘れていた。
ただでさえ、女の子らしいことをしていないのに、「鼻水」なんて下品な言葉を…
しかもちょっとかっこいい感じの駿哉くんの前で!!!
一気に死ぬほど恥ずかしくなり、「愛美も食べてみ!!」と愛美にレンゲを押しつける。
辛いものが苦手で、拒否する愛美とわーわー言いながら、私はあまり2人の方を見れなかった。
笑ってくれていた気がしたが、もうこの時点で恋愛対象からは外されたと思った。
いつもそうだったからだ。
好きな男の子といても、ハメをはずしすぎて、素を出しすぎて、"おもろい子"にしか思ってもらえず、恋愛対象に見てもらえていなくて、フラれてきた。
今回も、そう感じて、少し自分で凹んでいた。

