彼氏依存症

「うわあ…」




私の前に出た牛丼を見て、みんなの視線が集まった。



赤く染まったお肉。



いつもの茶色い姿は、ほとんど見当たらなかった。








「かなみ、食べれるん?」





隣で愛美が心配そうに聞いてくれる。



でも頼んだものは残さない主義の私。






「よゆー!」






最初はそんなに辛くなく、むしろ、こんなもん?と思っていた。





しかし…









…辛い。暑い。
あ、やばい鼻水っ…





次第にその辛さに襲われる。


変な水がいろんなところから出てくる。



私は、それがバレないように俯きながら黙って食べていた。








「かなみ大丈……かなみ顔真っ赤やん!(笑)」






隣から愛美に指摘され、「え!?」とびっくりして自分の顔に手を当てるのと、愛美の方へ振り向くのとが重なった瞬間…




出てはいけないものが出てくる気がして、瞬間的に鼻をすすった。