そのとき、隣にいた駿哉が声をあげた。
「かなみちゃん前向いて下向いとき!」
バッと前を向いて下を向く私。
「だって今のっ…「あかん!なんもゆーたあかん!」
と、3人から口々に言葉を遮られる。
車内がちょっとしたパニックになった。
ちょうど流れていた音楽が、ちょうど子供の声が重なるところで、こーたくんが後ろから「あかんあかんあかん!」と曲を変える。
すると運転中の駿哉が、「うっわ今なんかハンドル取られた」と言い出し、私と愛美は「うそやあー!!」とパニック。
正直本気で泣きそうだった。
でもなにも事故もなく、山をおりて近くのコンビニへ。
車から降りて、車を確認する男の子2人。
以前、心霊スポットに行って、手形がついていたことがあるらしく、それにも私と愛美はびびっていたが、なにもなかったようだった。
中の店員さんに、その山のことを聞いてみたが、心霊スポットという噂はあまり聞いたことがなかったようで、全部気のせいだったと、私たちは思うことにした。
一応、塩を買った。
ちょっとずつ、私と愛美は車の横にかける。
すると、「ちょ、なんしてんねん!」と、駿哉の慌てる声が聞こえた。

