「かなみ大丈夫やったな!」
後ろから愛美の声が聞こえた。
そういえば、なにも怖いものは見ていない。
「ほんまや!」
「まーそんなゆーほど怖なかったやろ?(笑)」
駿哉とこーたくんも、明るい声で話す。
スリルがあって、楽しかったといえば楽しかった。
こうして、助手席にも座れたことやし…と、心の中でにやける。
「でもまあー後ろは怖いけどなあっ(笑)」
と、振り返った私の目に、後ろの窓の向こうに赤い光が見えた。
「…あれ?あの赤い光、なに?ブレーキ?」
「え?」
愛美も振り返る。
たしかに、赤い光が地面より上で光っているのが見えていた。
でもブレーキの光にしては、丸い感じで1つしかない。
「…そんなんないで?」
愛美が答えた。
車内が、シーンとなった。
私は一気に血の気が引くのを感じた。
「えっ…」
じゃあ愛美には見えてな…

