「…なあ、後ろ怖ない?」
後ろの座席から、後ろを見ると真っ暗ですごく怖い。
前の席なら、後ろに人がいるから安心だが、後ろの席は後ろに誰もいないから怖くて仕方がなかった。
「めっちゃ怖い!」
愛美も同じことを思っていたようで、「やんなー!!」と2人で手を握りあう。
「ちょ、前変わってもらおーや!」
男の子2人が戻ってきたときに、後ろの席が怖いことを伝えると、「1人、前きぃ」と言ってくれた。
この時、流れで愛美が私の気持ちに気づいてか、私を前に行かせてくれた。
しゅ…しゅんやくんの隣っ…!?///
変に意識をしてしまい、ドキドキしながら助手席へ。
この時から、怖いよりも緊張のほうが上回っていた。
なんとか頂上らへんについたけど、怖くて車から降りれず、早々に山を降りることにした。
途中で、前のガラスのところに置いてあったライダースが、車の揺れと一緒にずり落ちてきて、とっさに私は手で支えた。
「あ…ごめん」
運転席から、駿哉が手をのばしてライダースを自分の方へ引っ張る。
そっか!駿哉くんのかっ!
とか思っていると、また目の前にライダースが現れた。
「ごめん、持っててくれへん?」
「へっ?え、あ、うん!」
運転中の駿哉から慌ててライダースを受け取り、膝の上でたたみながら、"あたし今しゅんやくんのライダース持ってるんや…"などとわけのわからん興奮をしていた。
そして、山をくだっている最中。

